2021-06-26

DxO PureRAW マイクロフォーサーズユーザーへの福音

JPEG_vivid
400mm | F6.3 | 1/640 | ISO2000 | G9+100-400mm

「あくまでもバードウォッチングが主で、撮影は記録として行っている」というのは建前で、やはりきれいに撮りたくなるのが人情ってもの。

先日、欲に駆られて死蔵していた機材を下取りに出し、より野鳥撮影に適した望遠レンズとボディを手に入れました。

ところが、思い切って手に入れたその機材で、これだ!っていう一枚が撮れていないのが悩みの種でした。

JPEG撮って出し
400mm | F6.3 | 1/640 | ISO2000 | G9+100-400mm | トリミング

...ああ、これも手ブレて、ピントも外したか

冒頭の写真をトリミングしたものです。パナソニックG9 PROのJPEG(vivid)撮って出しです(いつもレタッチ時に彩度を上げることが多いので、JPEGのvividで記録しています)。ブログやSNSでシェアする程度ですから、拡大して確認する必要も無いんですけど、やっぱり良い機材に入れ替えたのでついつい確認してはガックリしていました。

いや充分なんです。35mm判換算800mmという超望遠域を、三脚も一脚も使わずに手持ちで撮影してますから。いくらボディとレンズに強力な手ブレ補正機構が付いているとはいえ、超望遠域ですから手持ちじゃ限界あります。ISO感度は2000まで上がってるし、絞りだって開放ですし。コントラストAFに頼りっきりのピントも怪しいかもしれませんから。

より良い一枚を撮るために三脚を使う?NOです。より美しく記録するには三脚が必須だとは分かっています。でもやっぱりたくさん歩き回って、出会いがしらの野鳥たちを記録するスタイルが楽しいので出来るだけ身軽でありたい。じゃあ一脚を使う?迷いました。もし他に手立てが無いのなら、持ち運びを工夫して持ち出そうと思っていました。そんな時...

DxO PureRaw


『DxO PureRAW』というソフトの存在を知りました。同じマイクロフォーサーズユーザーの方のDxO PureRAWを実際に使用してみたというブログ記事が、それはもうすぐにでも使ってみたいと思わせる内容でした。(参照リンク:マイクロフォーサーズのISO6400が甦る!DxO PureRAWがめっちゃヤバイ - toshiboo's camera

マイクロフォーサーズというフォーマットは、野鳥撮影に必須である超望遠域を非常に小さく軽く安価に手に入れることが出来ます。ただしセンサーサイズが小さいので感度を上げればあっという間にノイズが乗り解像度が失われ、画質破綻を起こします。こればっかりはコンパクトさとトレードオフですから仕方ありません。

そんなマイクロフォーサーズの弱点を解消してくれるのが『DxO PureRAW』。より良いRAWファイルを作成してPhotoshopやLrに渡すというプラグイン的なソフトなのですが、先述のブログ記事を拝見すると高感度域でのノイズを除去した上に解像感まで上げてくれるという驚愕の効果が紹介されていました。一か月間試用無料ということでさっそくインストール。

DxO PureRaw

DxO PureRaw

『DxO PureRAW』の使い方はいたってシンプル。RAWファイルをドラッグ&ドロップするか、参照して選択するだけ。あとは左上の「画像を処理」ボタンを押して、どの処理モードでどう出力するかを決めるだけ。

カワセミ@舞岡公園
DxO PureRAW | DeepPRIMEでJPEG現像

カワセミ@舞岡公園
DxO PureRAW | DeepPRIMEでJPEG現像


いやぁ凄ぇわ!

ってまぁ皆さんには伝わらないですよね。ちょっと先に感想だけ書かせてください。この写真においてはノイズ除去っていうよりも、失われていた...いやそもそも記録できていなかったかも知れないディテールが写っているんです。手ブレやピンボケでボヤっとしていたカワセミの瞳や羽毛が、克明に再現されているからひっくり返りました。

なにこれ?どういうからくり?

「チョイスするだけでも大変だし、RAWなんかで撮らない」って言っていましたが、この効果を目の当たりにしてしまうとJPEG撮って出しだと勿体無いとまで思えてきました。パナソニックのJPEGはスカッと派手で好きなんですけどね。

DxO PureRaw

HQ:通常の照明条件で撮影された画像に最適。シンプルながら効果的なHQノイズリダクションを使用します。

PRIME:DxO独自のPRIMEノイズリダクションにより光量の低い環境で撮影された画像についても優れた効果を発揮しますが、処理には比較的時間がかかります。

DeepPRIME:DxO独自のディープラーニング技術であるDeepPRIMEにより、ミドルレンジからハイレンジのGPUを必要とする高速処理に対して驚くべき効果を発揮します
画像処理モードは「HQ」「PRIME」「DeepPRIME」の3つ。JPEG現像処理時間はそれぞれ、「HQ 16秒」「PRIME 52秒」「DEEP PRIME 4分」でした。最も画質向上が期待できるDeepPRIME処理は、このデータでは実に1枚4分!JPEG現像する場合は、DNG変換と異なり処理時間がかなりかかりますね。ただし処理時間はPCのパワーに依存しますので、私のノートPCにおいてはの話しです、あくまでも。

JPEG_vivid
JPEG(vivid)撮って出し

HQ
HQ(DxO PureRAW)

PRIME
PRIME(DxO PureRAW)

deepprime
DeepPRIME(DxO PureRAW)

ただ結果を見てしまうとDeepPRIME以外の選択肢が無くなってしまいます。HQで少しシャープネスがかかり、PRIMEではノイズが無くなり解像感が増し、DeepPRIMEではモヤが取れて失われていたディテールが補完されています(少し硬質になるきらいもありますが)。

時間があれば、その日撮ったデータを全てPureRAWに放り込んでDeepPRIMEでJPEG現像でも良いですけど、G9のダブルスロットを活かしてスロット2のJPEGでチョイスをして、現像したいスロット1のRAWだけDeepPRIMEで現像っていう流れが良いんだろうな。


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