2021-04-24

フラッグの付いたシギ・チドリ類を見つけたら

足環とフラッグ付きのオオソリハシシギ@ふなばし三番瀬海浜公園
オオソリハシシギ

4/22に船橋の三番瀬で撮影したデータの中に、足環付きのオオソリハシシギの画像がありました。そういえば「足に何か付けられて不自由だろうに可哀想」と思いながらシャッターを切った覚えがあります。

このオオソリハシシギの画像をトリミングや明るさ調整をしている時になって、「この足環は意味があって付けているのだから、どこかに観察報告をすべきなのではないか?」とようやく思い至りました。我ながら鈍い。検索をかけてみると山階鳥類研究所の『フラッグの付いたシギ・チドリ類を見つけたら』というページに行き当たりました。

〜 あなたの観察報告で鳥たちの渡り経路が解明されます 〜
【要約】日本で観察されるシギ・チドリ類のほとんどは夏鳥、冬鳥、旅鳥などの渡り鳥です。アラスカやロシア極北部で繁殖し、東アジア・オーストラリア・ニュージーランドまでの広い範囲で渡りをします。ただ日本で観察されるシギ・チドリ類の個体数は近年著しく減少してきています。彼らの繁殖地や越冬地を保全するともに、彼らがどこを中継して渡るのかを明らかにして効果的な保護計画をたてたい。
そこで鳥類標識調査の際、金属リングに加えて調査場所別に位置・色・形が決められた有色フラッグを付け、観察するだけでその鳥がどこで足環を付けられたのかが判るようになっています。オーストラリアと日本を中心にアメリカ(アラスカ)、極東ロシア、中国、韓国、台湾、ニュージーランド等の国や地域が加わり、これまでに13万羽以上のシギ・チドリ類がフラッグを付けて放鳥されました。 (渡り鳥と足環|山階鳥類研究所


オオソリハシシギ@ふなばし三番瀬海浜公園
オオソリハシシギ

今回私が撮影したオオソリハシシギはアラスカで繁殖をし、毎年9月末に群れになって飛び立ち、赤道を越え越冬地のニュージーランドやオーストラリアまで、時に一週間無着陸で飛び続けるとのこと。そして春になると秋とは別ルートとなる日本沿岸や黄海の干潟を経由し、たっぷりと休息と食料を取って繁殖に備えたら、再びアラスカの繁殖地へと飛び立っていくと。(参考:1万キロをひとっ飛び!驚くべき地球の旅人オオソリハシシギ |WWFジャパン


可哀想とは全く逆で、こんなに過酷な渡りをする彼らを保護するための足環だったのですね。そして一昨日、会ったあのオオソリハシシギはたぶんメス。この日本でたくさん栄養を付けてアラスカに帰っていただき、繁殖地での子孫繁栄を心からお祈りしてます。というわけで彼らの保護に役立つことを願いつつ、観察者の務めとして山階鳥類研究所さんに観察報告をさせてもらいました。


--- --- --- --- 報告内容と報告先 --- --- --- ---

● 観察者氏名
● 観察者連絡先(住所・電話番号・FAX番号・メールアドレスなど)
● 観察日時
● 観察場所(都道府県・市町村・地名)
● 観察場所の緯度・経度
● 種名
● 性別(オス・メス・不明)
● 年齢(成鳥・幼鳥・不明)
● 羽色(夏羽・冬羽・中間)
● 標識の位置(金属足環・フラッグまたはカラーリング)
右足:関節の上(標識の種類・色)/関節の下(標識の種類・色)
左足:関節の上(標識の種類・色)/ 関節の下(標識の種類・色)
● 写真(ある→写真の提供OKまたはNO、なし)
● 特記事項(その場所で見られたシギ・チドリ類各種の個体数など)

<宛先>
〒270-1145 千葉県我孫子市高野山115
山階鳥類研究所 保全研究室(鳥類標識センター)
Tel : 04-7182-1107/Fax : 04-7182-4342
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---

観察報告は至極簡単でした。種名と年齢と羽色は自信が無いので不明にしましたが、画像添付してメールしましたので、先方が良きに計らってくださるでしょう。

ちなみに当該ページに掲載されている調査地域別のフラッグの組み合わせ表を見ると、私が観察したオオソリハシシギは『日本 宮城 鳥の海』で放鳥された個体だったようです。

きっと日本やロシアの他にもインドネシアやフィリピンなど様々な場所に立ち寄ってるんだろうな、過酷な秋のルートとは一変、繁殖地へ帰る春ルートはちょっと楽しそうだな。

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