『カメラ沼、レンズ沼、腕時計沼にクルマ沼。世の中には色々な沼があるけれど、双眼鏡沼ほど浅い沼は無い。なにせ30万も出せば世界最高峰のモノが手に入るのだから』
いつものように野鳥関連のつぶやきをTwitterで見ていたら、こんな金言に触れてしまい自分の内面で何かのスイッチが入ってしまいました。
オーストリアに品物も腕も良くて有名なガラス玉屋さんがありまして、そこの坊ちゃんが80年ほど前に培った職人技で作った双眼鏡がこれまた大層評判が良く、以来本業と並行して光学機器も作り続けられています。今ではライカ、ツァイスとともに欧州3大メーカーとして並び称されております。私は今回、そんな双眼鏡に気絶しました。
言って先日、ライカのウルトラビット8x20を購入したところです。倍率や明るさよりも小ささと軽さを優先しつつ、それでも見えに妥協の少ないモノをということで中古ですがエイヤ!と。そしてそのコンパクトさと光学性能は期待を裏切らないもので、私の身軽なバードウォッチングスタイルに充実感や満足感を与えてくれておりました。
一方でムクムクと湧き上がってしまった欲望は、もう収まりがつかないところまできてしまっておりました。
『そうだ!いつも年代物のビクセン片手に付き合ってくれる妻が、ウルトラビット8x20を使えば良いじゃないか!野鳥も花も昆虫も風景もふたりで今より鮮明に見ようじゃないか!』と何とも自分勝手な大義名分を振りかざして、オーストリアのブツ購入。
シンプルで美しい化粧箱を開けながら、興奮で身震いしました。
専用バッグ用のショルダーストラップ。
右側の紙をあげると説明書と何かが入った小さな箱。
小さな箱の中には双眼鏡の鏡胴の汚れを落とす石鹸とブラシでした。
説明書の下には対物レンズキャップ、少し長めの双眼鏡用ストラップ、レンズクロスが収まっていました。
さていよいよ本体との対面。
おぉ!なんと美しい工業製品だろうか。
今回私が購入したのは、スワロフスキーの『CL COMPANION Bright 10x30』です。
【仕様】倍率:10倍 / 対物レンズ径:30mm / ひとみ径:3.0mm / アイレリーフ:16mm / 視界:108m(1000mで) / 実視界:6.2° / 最短合焦距離:3.0m / 長さ×幅×高さ:127mm×118mm×55mm / 重さ:500g / 適応温度:-25℃~+55℃(収納時:-30℃~+70℃) / 防水性能:水深4m(窒素ガス封入)
実は最初にポチったのはコンパクトサイズの『CL Pocket Elegant 10×25』だったんです。ところがポチってから納品までにかなり時間がかかるということで、「10x25の双眼鏡はニコンのがあるんだし、どうせなら」ってことで口径の大きな(より高価な)モデルに変更してしまいました。
購入先はスワロフスキー光学製品の公式サポートショップでもある銀座双眼堂さん。
購入にあたり電話であれこれと相談させていただいたんですが、懇切丁寧かつ購買意欲を上手に盛り上げていただきまして、ものすごく好印象を受けました。製品に自信と愛情持っているからこそのセールストークでしたから。価格としても量販店のポイント分を割り引いた価格で販売されていましたし、何より何か問題があっても国内サポートの大元ですから安心ですし、迷わずこちらで。
ストラップは汎用性の無い独自仕様。ただまぁねじれにくい機構になっていますし、ストラップもよく出来ていますので不満無し。少し装着に手間取りましたけどね。
独特なフックでフラップを固定する専用バッグは、ストラップごとしまえるように容量に余裕があります。まぁいつもの探鳥の時はカメラバッグに裸でしまって、この専用バッグは使わないでしょうけど、双眼鏡単体だけ持って出たりクルマに置いて食事や買い物って時は重宝するかも。
重たからず軽からず、金属ボディにゴム巻きのボディを持った感触もガッチリしていて心地よい。20mmや25mmのものよりもひとまわり大きいけれど、他の30mmのモノより鏡胴が細めで充分にコンパクトに感じます。
右目の視度調整が非常にやりにくいのが難点だけど、双眼鏡越しに見る風景は透明感に溢れていて、なるほどキラキラと美しい。これでもスワロフスキー製双眼鏡としては廉価版なんだっていうんだから凄いなぁ。
これ以上を望まないですし、「双眼鏡沼は浅い」ままでバードウォッチングという趣味を楽しんでいく所存であります。いやこれホント。
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